ASの機構
スプライシング過程
イントロンのスプライシングは、5つのsmall nuclear RNP(U1、U2、U4、U5、U6 snRNP)と100以上のタンパクが相互作用することにより、ATPを利用しながら段階を追って行われる(図1)。図ではsnRNP以外のタンパクは省略してある。

図1.スプライソソームによるスプライシング過程の簡略図
スプライシング制御
スプライシングの促進や抑制に関わるモチーフは、エクソンの内にも外にも存在する。エクソンに存在してスプライシングを促進するモチーフはESE(Exonic splicing enhancer)と呼ばれ、抑制するモチーフはESS(Exonic splicing silencer)と呼ばれる。イントロンに存在してスプライシングを促進するモチーフはISE(Intronic splicing enhancer)と呼ばれ、抑制するモチーフはISS(Intronic splicing silencer)と呼ばれる。これらモチーフ配列に特異的に結合するスプライシング因子がsnRNPに働きかけることにより、選択的なスプライシングが生じる(図2)。

図2.シス要素(ESE、ESS、ISE、ISS)およびトランス作用スプライシング因子(SRタンパク、hnRNP等)によって選択的に制御されるスプライシング